小学校は公立小!帰国子女じゃないけど「双子小学生英検1級とれちゃいました」レビュー

双子小学生英検1級とれちゃいました

0才おうち英語スタート、現在小4と小2の男女を育てている辻めぐみです。

おうちえいご園ブログへようこそ!

2024年3月に読んだ英語育児体験本のレビューをしたいと思います!!

本の帯↓

  • はじめはおうち英語から
  • 父親は英語話せない/母親は英検3級
  • 小1で英検2級合格
  • 帰国枠で難関中合格
  • 英語に関する受賞歴多数

おうち英語育ちの高校生が執筆「双子小学生英検1級とれちゃいました」レビュー

小学校は公立小! 帰国子女じゃないけど 双子小学生 英検1級とれちゃいました 単行本 – 2024/2/29
トワエモア (著)

おうち英語育ちの双子のお嬢さんたち自身(現在高校生)が執筆している点がとても興味深い一冊です。
(お母様も登場)

綺麗ごとや親への感謝を並べたような話ではなく小学校で日本語が苦手だった話や双子間の言葉の成長の差についても記憶を辿って書いてありリアルです。子供目線が知れるのは、自分自身のおうち英語にも生かせそうだと感じました。

おうち英語から始まる軌跡

生後11か月からおうち英語(当時は「英語子育て」という呼び方が主流)をはじめた双子のお母様。ネットで育児情報を検索する中でたまたまおうち英語に出会ったそう。2才頃からは一人一言語(お父さんや周囲は日本語、お母さんはなるべく英語で)で育てたそうです(ずっとではなく成長に伴って割合は変化)。当時どんなふうに声掛けをしていたか、どんな絵本やDVDを見せていたか、お子さんたちにどんな変化があったか、年齢ごとに書いてあります。ブログのようなスタイルで楽しく読み進められました。

外注とハイブリッド式
年中から英語保育園を利用したり、小学生で海外に親子留学へ行くこともされていました。それ以外にもヤングアメリカンズへの参加、キッザニアの英語スピーチコンテストに参加した話なども記されています。Amazonレビューには「庶民向けではない」「公立小と言いながら英語保育園…」等書かれていましたが、おうち英語にドはまりしてくると「おうち」に留まらず、英語の教育施設やイベント、サマースクール、留学などへ投資先が向いていく傾向は最近になって強まっており、おうち英語と外注のハイブリッド式で英語力を伸ばしていくのは費用感や期間に違いはありながらも普通になりつつあると個人的には感じています。(我が家はいち庶民なので海外親子留学予定も高額イベントへ毎年参加させることもないのですが「かけるパターンね」と了解済みで読んだ感じです。外注併用が「おうち英語じゃない」と批判されるとしたら隠していた場合かと)

日本語への影響

小3時の記録で「相変わらず私たちは日本語が苦手だった」とありました。詳しくは読んでもらえればと思いますが、英語に時間をかけたぶん公立小学校での生活や友達付き合いで多少の苦労はあったようでした。こうしてお子さん自身が本を書いているくらいですからこのお子さんたちにとっては不幸な経験ではなかったんだと思います。この辺は子供の性格や感じ方によって大きく違うでしょうし、「当時」と「あとから思えば」でも違うはずです。この本を読んで改めて、育児って「子供が育ちあがってみないと分からないもんだなぁ」と感じました。この双子のお嬢さんはその後、英語での中学受験を経て帰国生も通う私立中学校に入学し満足しているわけで、小学校で日本語に少しハンディがあっても結果オーライでしょう(と私が勝手に言っていいものではありませんが)。もし一般的な公立中に進学した場合はアイデンティティの面も含めどうだったのか…は誰にも分りません。(補足:これを読んで「それみろ日本語が弱くなるからおうち英語はリスキー」という短絡的な二元論にならないで欲しいです。これは割と英語ガチめのご家庭の1つのケースであり、一口におうち英語といっても英語を取り入れる量も目的も家庭それぞれです。また、子供によってもどの程度がちょうどよいかは違います。)

私はあくまでも1つの成功例として読みました。実際モアさん(双子著者の1人)は「私たちの場合、小さい頃からの取り組みの積み重ねが、このような結果につながったと思いますが、これらを完全に真似すべきものではないでしょうし、私たちが試してうまくいかなかったこともあるため、この本が自分(のお子さん)に合った取り組み方を探すきっかけになれば嬉しいです」と最後に書いてくれています。


本の後半では英検英語での中学受験のことが語られています。英検も英語受験も、お母様が伴走してお子さんに合わせた対策をしていて純粋にすごいと思いました。具体的な書籍やアプリ名もあります。タイトルは「1級とれちゃった」ですが、高位級の受験では当然努力をされています。でもその努力の方向性は、「ド根性英語学習」ではないです。お子さんたちが娯楽としても洋書を楽しめること、英語が外国語ではなく自分の言葉になっている事が大きな支えになっていたように読めました。我が家はおうち英語メインで多読もしているので個人的に嬉しかったです。

英語での中学受験対策としては、”首都圏の帰国生の保護者間で大変有名な英語塾”に通い、読書も多く取り入れていたようです。KAに興味のある方は読んでみるとよさそうです。


ーー最後にーー

著者の双子さん(トワエモアさん)が冒頭で書いている通りおうち英語をされた当事者の声はまだあまり世間に出回っていません。「子供に英語を楽しく学ばせてあげたいと思っているお父さんお母さんの役に立てたらいいな、と考えて書きました」とありますが、親だけでなくこれからも増えるであろう後輩おうち英語キッズのために書いた面もあるんじゃないかと感じました。まだ高校生でありながら筆を執ってくれたことには感謝しかありません。(もしもエゴサーチしてこのブログにたどり着いてこれを読んでくれていたらとにかくありがとうと伝えたい)

まだまだ認知度が低く「なんで英語が話せるの?え?海外在住経験なし?どういうこと?」「小さいうちから英語を”勉強”させられているの?」と奇異な目で見られることもあるおうち英語キッズ。こういう英語の習得方法もあるんだ、小さいうちから英語のガリ勉をさせられているわけではないんだ、ということがもっと大人(特に教育者の方々)に知ってもらえるとおうち英語の子供たちが生きやすくなりそうです。本屋さんで目立って欲しい1冊です。


おうちえいご園l辻めぐみ @ouchieigoen