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テレビや動画を乳幼児に見せる影響はどんなもの?
すごく気になる話ですよね??
私はすごく気になりまして
最新の研究から書かれたこちらの新書を手に取りました。
「デジタルで変わる子どもたち」(2021)バトラー後藤裕子、ちくま新書
おうち英語をやっていると
動画視聴は当たり前
なんなら絵本だって、英語の電子絵本を与えることもありますよね。
英語のアプリを使っている方も多いと思います。
この本の著者はそうした昨今の日本の英語育児の現状もよく把握しているとみられ、
おうち英語の観点からも非常に学びの大きい内容でした。
2021年時点で出ている科学的な論文、研究事例を著者がまとめあげ考察しており
我々親が自子のケースに当てはめて考え判断していくための示唆に富んだ内容です。
長文ですが、最後に行くほど濃い話を書いているので
最後までお読みください。
「デジタルで変わる子どもたち」(2021)バトラー後藤裕子、ちくま新書
特に乳幼児期のビデオ視聴を言語習得面で考察している章が興味深いです。
よい・わるいと一言で断言できない内容なのでここに書くのも非常に難しいなと思っています。
しかしここでこの記事を終えると、タイトルに惹かれて読んでいる方からすれば非常にモヤると思いますので
私が理解したことと私なりの見解をざっくり書きますね。これがすべてでは決してありませんし、様々な研究結果の載っている本ですので、興味のある方は本をお手に取って読まれてください。
2才以下のビデオ視聴とその言語習得効果
まず、英語習得以前にテレビ視聴自体がどうなのかという点について
※本書では2才以下か2才以上かという言葉が使われていますが、本来は2才未満と2才以上として読まないとつじつまが合わないのでご注意ください
・『2才以下のテレビ視聴は「番組の質・視聴内容にかかわらず」マイナスの要素のほうがプラスの要素より潜在的にずっと大きい』というのがアメリカの小児科学会の発表。しかも2016年まで継続見直しが行われている。科学的には主流の考えとなっている。日本の小児科学会も基本的に支持している。2才前の子供でテレビ動画視聴がプラスに働かない理由は主に認知発達面の根拠がある。
次に、言語習得において
・「ビデオ不全」ー赤ちゃんに生身の人間ではなくビデオを与えたのでは、言語習得の効果はないだろうという研究・実験。私の知る限り他のバイリンガル書籍でも広く一般的に紹介されている。
・ビデオ不全の詳細はまだ解明されきっていないが、「2才以下のテレビ・ビデオ視聴は言語習得を含めた学習にはあまり効果的とはいえない」(P.85)「見せ方に注意が必要」(p.84)というのが著者の見解
辻めぐみコメント:
おうち英語家庭としては残念な話ですよね…。
2才未満の娘に英語動画の効果があると感じたのは、親のインタラクションによるものや英語絵本読み聞かせによるものだったのか…。(私の見解は下部にもまとめています)
2才以上のビデオ視聴とその言語習得効果
・2才以上であればビデオの質と使い方よっては効果がありそう
・ただし 『2才以上でもテレビ動画視聴は1日2時間までに控えたほうが良い』 アメリカの小児科学会(2016まで継続レビューされている見解とのこと)
・2才以上の効果的なビデオ視聴のキーワードは身体性と相互交渉
身体性ー実際に体を動かすなど 相互交渉↓
・(2才以上の)子供に反応の機会を与える、発語を促す、などインタラクティブな仕組みがあるものは言語習得にプラスに働く
辻めぐみコメント:インタラクティブな仕組みとはまさにDWEやWWKのビデオに含まれている内容なのでは!?ここは嬉しい話ですね。
その他重要な点
・長時間の視聴はよくない(脳科学研究による根拠あり)
・大人向けの番組や動画の視聴は子供の言語習得においてマイナス傾向
・バックグラウンド視聴もよくない(子供の認知処理・記憶・読解にマイナス影響)
・外国語学習アプリー2才以下ではほぼ効果なしと思われる。2才以上で年齢に合ったアプリなら、大人との相互交渉があれば効果あるかもしれない。解明されていない事が多い。
思ったよりも長く書いてしまいました。繰り返しますがここに書いてある事は一部であり、私の誤解釈も入っているかもしれないので、大切なお子様のデジタルケアを考える場合は本書を手に取ってお読みください。
※American Academy of Padiatrics, 1999
以下すべて私の見解
<2才未満への映像コンテンツ、言語習得に効果が立証されてない件>
私自身はテレビを大いに活用したおうち英語・育児をしてきていまして、2才未満であってもその効果はあると感じてきましたが、テレビや動画単体での「効果」というのは実は科学的には2才未満の子供に対しては立証されていないのですね。実は以前にも何度か別の本で読んだことがあるんですけど、華麗にスルーしてましたわ(人間って自分に都合の悪い情報は無視する認知機能がついてるらしい)。でもこの本の根拠のあげつらねかたが凄い上手いので今度こそ信じました。そうなると、2才未満からテレビに触れていた我が家の下の娘においては 、ビデオを通した親子の関わり(一緒に観ながら英語を話す、語り掛ける、質問する、一緒に歌を歌う)が英語習得に効果を発揮していたのかもしれません。これはポジショントークがちょっと入りますが、やはり2才未満に英語を与えるなら、DVDよりも英語音の短時間かけ流しと英語絵本の読み聞かせ主軸のほうが総合的にみて子供の健康と言語習得に良いのかもしれません。(これまで2才未満の子供へのテレビ視聴の良い影響を主張している専門家は観たことがないですし…)
とはいえとはいえ!テレビなし育児つらい件
テレビや動画の視聴については、私も常々なんとなくあまりよくないイメージを持っていて、一人目長男の時はテレビなし育児を試みたこともありました。しかし実際問題ね、あれは「子供の育てやすさ」によっては「親の修行」「親のストレス原因」となりかねない(笑)家庭保育かつ平日ワンオペだったこともあり、とても大変でした。英語の番組を本格的に見せ始めたのは長男は2才以降でしたが、2人目が生まれてからは、もうテレビ様がないと生活が成り立ちませんでしたね…。どうせテレビに頼るなら、おかいつよりも英語見せたほうが将来(?)役に立ちそうだし罪悪感も減りました。そして特に2人目は0才からテレビがよくついている家庭環境にありました。だからこういった本を読むのは私にとっては正直ホラーだったんです。が、私は小さいお子さんがいる方に講座を提供している身ですので「知らぬが仏」の話ではおれませんでした。
昨今のワンオペ核家族日本でテレビを子供に与えないというのはなかなかに至難の業だなと思うのであります。 テレビやスマホ育児を否定するポスターに対し『ワンオペで頑張る親を苦しめる言葉だからよくない』という意見もツイッター等でみかけ、それもワンオペ育児当事者として頷けるものがあります。が、 こうした医学的な根拠もあることを顧みると、親としてはテレビのみせ過ぎはやはり気を付けたほうがいいのでしょうね。 こういった事を知った上で、現実と折り合いをつけながらやっていくしかないし、よくいわれる「デジタルとの付き合い方を学ぶ」「与えるものを取捨選択する」ほうが得策だと感じています。
1日中の動画や音源かけ流しについて
個人的には、英語のためにと思って”1日中”英語の音源をかけ流しするのも、子供の繊細な脳と聴覚機能の健康にとってはあまりよくないのではないか、やりすぎではないかと考えています。程度の問題です。また、本書でもバックグラウンド視聴がよくないとされていましたので(本では大人向けの番組が例でしたが)じっくり見てないからといって映像の過度のかけ流し続けも考えたほうが良いのかなと思いました。私自身、日本におけるバイリンガル教育について勉強するまでは過度の長時間英語漬け育児をしていた時期もありますし、現在そのような英語取り組みをしている方を脅したり嫌な思いをさせるつもりはありません。私は早く気づきたかったので、情報発信ブログとして書いています。
他にもいろんな研究のことが書かれているので、私が記事に書いた内容だけで判断せず、ご自身で読むことを強くおすすめします(しつこくてごめんデモほんと)。デジタル時代の子供達を育てるうえで必要な情報が盛りだくさんです。 デジタル絵本・紙絵本のことについてはまた機会があれば書こうと思います。
追記:スクリーンメディアとの関わり方について2016年のAmong the AAP recommendations:参考
具体的なスクリーンメディアへの関わり方親の対処法声明(AAP:アメリカ小児科学会)を見つけましたので貼っておきます。ここでは2才区切りではなく1才半がひとつの区切りとなっています。
- For children younger than 18 months: Avoid use of screen media other than video-chatting. Parents of children 18 to 24 months of age who want to introduce digital media should choose high-quality programming, and watch it with their children to help them understand what they’re seeing.
- 18か月未満の子供向け:ビデオチャット以外のスクリーンメディアの使用は避けてください。デジタルメディアをみせたい18〜24か月の子供の親は、高品質のプログラムを選択し、子供たちと一緒にそれを見て、彼らが見ているものを理解できるようにサポートする必要があります。
- For children ages 2 to 5 years: Limit screen use to 1 hour per day of high-quality programs. Parents should co-view media with children to help them understand what they are seeing and apply it to the world around them.
- 2〜5歳の子供向け:高品質のプログラムのスクリーンタイムを1日1時間に制限します。親は子供たちが見ているものを理解し、それを周囲の世界に適用できるように、子供たちとメディアを一緒に視聴する必要があります。
- For children ages 6 and older: Place consistent limits on the time spent using media, and the types of media, and make sure media does not take the place of adequate sleep, physical activity and other behaviors essential to health.
- 6歳以上の子供向け:メディアの使用時間とメディアの種類に一貫した制限を設け、メディアが適切な睡眠、身体活動、および健康に不可欠なその他の行動に取って代わらないようにします。
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